日の出・南中・日の入

世界地図と理科年表，それに簡単な電卓をもって1996年8月1日ハワイのマウナケア山にすばる望遠鏡を見学に行くことにした．地図からマウナケア山の経緯度は，λ= 西経155°30' ≡ −10.3667^h (東経を＋，西経を−)，φ = 北緯19°50'，山の高さは，h = 4206 mとわかる．まず，南中の時刻は

λ₀はハワイでの標準時の経度で，理科年表「世界各地の標準時」によれば λ₀ = 西経150°≡ −10^h，ΔT は均時差で，理科年表「太陽」の項から，8月1日世界時0^hでは−6^m18.1^s，8月2日では−6^m14.0^s．ハワイ時間正午12^h での値は比例配分して

出入りの時角

次に，日の出・日の入は，太陽の上辺が地平線に接する時をとり，また大気の屈折によって太陽自身が浮き上がって見えるので，図のように，地平線より μ だけ下にある時を計算する．図の ΔPS₂Zより太陽の出入の時角 H は

ここで，μ は平均の値として51'，δ は太陽の赤緯．再び，理科年表「太陽」の項にある8月1日と2日の赤緯から比例配分して

出入りの時刻

ゆえに，日の出の時刻： T − H = 5^h57.8^m，日の入の時刻： T + H = 18^h58.6^mとなる．

高い所では日の出はより早く，日の入はより遅くなるが，その効果は

　Δt = 0.140^m × ・・・(3)
　Δt = 0.140^m × = 10.2^m

マウナケア山頂でみる日の出は 5^h48^m，日の入は 19^h9^m （ハワイ時間）となる．また，方位角 A は北から東まわりに測って，図より

すなわち，東または西の方向より，北へ19°の方向に日の出，日の入を見ることになる．

暦象年表1996より加筆、訂正